四肢の切断時にとるべき4つの行動

お疲れ様です。Loxinalです。

2007年に静岡県の高速道路で大型バイクを運転中の男性が、自身の右足を切断する事故がありました。

中央分離帯に接触したことが起点なのですが、驚くべきところは脱落した右足から2kmも離れた場所で切断していることに気付いたという点です。

バイパス手前で停車しようとした時に気づいたというのですから驚愕です。

バイク事故で四肢切断はあまり多いケースではないと思います。

病院では上肢を使う作業を仕事にされている方が、ローラーやブレードに巻き込まれて指を切断した事例が多いです。

バイクでいえば、運転中よりもメンテナンス中の方がリスクは高いかもしれません。

使う場面が出てこない可能性が高い知識かもしれませんが、緊急(切断)時の対応を誤ると再接着時の成功率に影響します。

実際に、切断指(肢)の再接着術を行っている外傷センター医師からも助言をもらいながら執筆していきます。

冷却して保管する

切断してしまった指や手足は凍傷にならない程度に冷やしてください。

理想は氷水を入れた袋に、さらに切断指(肢)を包んだ袋を入れることです。

直接、氷に当てる、水につけるといったことは禁忌です。

冷やすことによって病原菌の活動を抑え腐敗を防ぐことが望めます。

汚れている場合は簡単に洗う

主に土壌にいる破傷風菌は、その名の通り破傷風を引き起こす原因となります。

その他にも細菌などによる感染を防ぐために、切断面に土や砂などがついた場合は軽く流水などで除去してください。

水道水で構いませんが、わざわざ石鹸を用いて洗浄したり消毒する必要はありません。

覆うガーゼは生理食塩水で濡らす

切断口は体液と浸透圧が等しい生理食塩水で濡らした清潔なガーゼがあれば覆ってください。

覆う際は、神経や組織の圧迫を防ぐために輪ゴムなどで縛って固定しないようにしてください。

また、乾燥したままのガーゼで覆わない理由は、ガーゼをはがすときに組織に破綻が起こる可能性があるためです。

生理食塩水以外で濡らしたガーゼなどで覆うと、浸透圧の関係で組織側が過剰に水分を含んでしまったり、反対に水分を奪われてしまいます。

屋外では用意できない場合がほとんどだと思いますので、洗浄後にそのまま袋に入れて、袋ごと冷却を開始してください。

切断時はすぐに病院へ行く

切断指(肢)の保管の次に重要なのは早急な治療です。

再接着の可否の一つの指標になるのが、切断後の経過時間(虚血時間)です。

冷却していれば約12時間以内冷却していない場合は約6時間以内適応といわれています。

ですが、室温で10時間以上経過した切断指(肢)の再接着に成功したケースもあり、必ずしも上記の適応時間が指標になっているというわけではないです。

その他に、損傷の程度や場所既往歴などによっても再接着が可能かどうかは左右されているからです。

いずれにしても、一刻も早い治療が重要です。

最後に

再接着術の成功率は100%ではありません。

私が現場で見てきた完全切断のケースでは60~70%が再接着に成功している印象があります(あくまでも私個人の持っている印象です)。

損傷の程度や手術開始までに要した時間などで大きく左右されます。

どうしても再接着が叶わず断端形成の適応となる場合もあります。

まずは切断指(肢)の適切な保管早急な病院受診を行ってください。

少ないリスクが限りなくゼロに近いことを祈っています。

Loxinal

参考文献

・土田芳彦編著(2017)「重度四肢外傷の標準的治療」南江堂.

最新情報をチェックしよう!
Link